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91 星に還る日

 

ごめんね、ぼくたちは君に掬われる訳にはいかないんだ。

ごめんね、ぼくたちのいる場所はここではないんだ。

 

見上げてごらん、あの星を。

赤く輝く火の星を。

 

ぼくたちの星さ。

ぼくたちが還る星さ。

 

その日が来たら、ぼくたちは思いを一つにしてあの星を目指すのさ。

火の柱のようになって、成層圏を突き抜けるんだ。

 

君は知らないかもしれないけれど、ぼくたちは空だって飛べる。

真空でだって生きていけるんだ。

 

だからさ、ここで君に掬われる訳にはいかないんだ。

ぼくたちはあの火の星に還るんだから。

 

 

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