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15 妖精エミリー

エミリーはいつも
ぼくが迷っている時に現れる。
「迷った時は、進むのよ」
いつも、そういっては消えていく。

エミリーが
いつからぼくと一緒にいるか分からない。
エミリーは透き通った羽根を持ち
風の中から顔を出す。

ぼくはエミリーに相談することはない。
頼ったところで答えはないからだ。
でも、ぼくがエミリーのことなんか忘れていて
それでも迷った時に現れるのだ。

「迷った時は、進むのよ」
ぼくは、その言葉通り生きてきて
今も迷いながら
でも進んでいる。

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